HIRO鈴(ヒロリン)グラスとは
このグラスを作った経緯
私は日本酒を造るメーカーに16年間勤務致しました。
そこで宴会の最中にセトモノのお猪口で飲んでいたお酒をガラスのコップで飲んだ時に「あれ、味が違う」と感じ酔っているからだと思い、翌日飲み直して比べると明らかに同じ日本酒なのに違う、調べてみるとセラミックの効果で有る様でした。
知人の唎酒師に聞くと「違いますよ、日本酒はグラスを変えても楽しめる」と聞き、そういえばワインやビールには専用グラスが有り、グラスで味の違いを楽しんでいるのに日本酒にはお猪口は有るが専用の機能を持った冷酒用グラスがまだ無い、とても残念、有るのはセトモノお猪口の形をマネタものやワイングラスをそのまま小さくしたもので機能性が無い、そこで知り合いの岩手県に有るガラス工房の職人に「ガラスの中にセラミックを閉じこめた冷酒用専用グラスを作って欲しい」と依頼しますが職人さんから「ムリ」「グラスの厚さにセラミックを粉みたいにして入れても冷えて固まってくる過程でそれぞれの温度差が生じて割れてしまう、そもそも異物をガラスは嫌う、強度的にも・・・・ムリ」と断わられてしまいました。私もしつこいので何度か遊びに行ってお願いしても「ムリな物はムリ」で半ばあきらめていた時、仕事でアメリカを担当していて年間の半分は海外で仕事をして居りました。
サンディエゴのレストランでお酒セミナーを依頼されて、テーマを「同じ日本酒をセラミックカップ・ガラスカップ・プラスチックカップで飲むと全部味が違います」とセミナーを実施致しました。
すると参加したアメリカ人22人中、18人が「なんでこんなに味が違うのか、日本人は皆知っているのか」と大感動の会となり、やはりガラスでセラミック入りグラスを作りたいと強く心に想い、もう一度作成を頼んでみようと帰国、訪問すると「しつこいね〜、本当にムリだから」と断られたのですが、「もしも作るとしてどんな形がいいの」と聞かれましたので自分の思っている理想の形と大きさを伝え「冷酒グラスはどれも小さくて、冷たいお酒はすぐ飲んでしまい、注ぐのが忙しいそれにアメリカ人は小さいグラスは全部ショットで一気に飲んでしまう、日本酒はチビチビ飲んで欲しい、そこでチューリップ型で大きさはこのくらいで」と話していると丁度後ろで希望の大きさのグラスを職人さんが作成中で「これこれ、このグラスがいいですね」と話すと職人が「これはグラスでは無いよ、風鈴だよ」と言われ、これまたストーリーになると思い「お酒を奏でるグラス」と思い付き、そのままの形がいいですとは言ったもののまだ作れるとはまだ言ってもらえないまま帰宅、期待半分と落胆すること10日目、ガラス職人さんから電話があり「時間が有る時に遊びにおいで」と連絡が入り翌日駆けつけるとこんな感じしか作れないと試作品が有りました。(内心やったー)
そこでガラス屋さんから「このグラス1個作るのに一人の職人が5日間かけて作った。価格はいくらになると思う」と尋ねられ「人件費1日1万円×5日で50,000円でしょうか」と答えると「それ以上かかるけど、仮にこのグラスが5万円だとしたらこの価格で売れるか?その前にこのグラスが、本当に需要があって、価格がいくらなら売れるか確かめて見てから考えよう」と試作品とセラミックが全く入らない味比べ用の同じ形のグラスと一緒にプレゼントして頂き1年間アメリカと日本国内で飲み比べを試して歩きました。
試して頂いた方々は「何で違う」「ワインも違う、ウイスキーがすごく飲み易くなった」などとても良い反応でした。価格も聞くと1個5000円が限界の価格、1年後帰国してガラス屋さんを訪問「どうだった売れそうか、いくらなら売れる」と聞かれて「売れますが5000円です」と答えると「5万円が5千円、10分の1だ、どうする」と言われて答えが出ずに諦めようとしたときに、ガラス屋さんから「本当に売る気があって、諦めないのか?」と聞かれて「ハイ」と答えると「分かった、いつまでに何個作って欲しいではなくて、こっちの空いている時間に作れる数だけ作る事で良ければ希望の値段で作ろうと」と言っていただいた事で始まったのがこのグラスです。
今は希望の数を頼むと日数はかかりますが職人さんが慣れて来た事もあり作ってもらえます。
どうぞこれからもこの「Hiro鈴」(ヒロリン)グラスで癒しの時間をお楽しみ下さい。
※個人差があり全く感じない方もいらっしゃいます。日本酒・ワインも楽しめますがウイスキー・焼酎・ブランディー・ウォッカと水道水を試した多くの方々から飲みやすく成っていると言って頂いています。
株式会社 匠グローバル
菊池 弘尚